アメリカでのコーチングの実情は?

日本でここ数年急速に広まりつつあるコーチング。その発祥の地はアメリカです。
アメリカのビジネスコーチングの市場規模を算出したデータによると、

アメリカでのコーチング市場は1.6兆円/年を超える一方、日本では300億円/年。単純計算で約50倍ほどの差があります。

https://note.com/take_ba/n/nd9271bf96f6c#vnhBB

とのこと。最近日本でも『1兆ドルコーチ』という本が有名になり、アメリカでは企業の役員レベルにカリスマ級コーチがついているといったイメージは広まったのではないでしょうか。

ただ、私の個人的な感覚では、こういったデータや本は何だか遠い世界のことのような気がして、いわゆる “フツウの人” にとってコーチングがどれほど身近なものなのか?という肌感覚がつかめません。

そこで、今回はニューヨークにてコーチとして活躍されているKayさんへのインタビューを通じて、アメリカではコーチングは日常生活においてどう活用されているの?という点に触れてみます。

Kayさんとはインスタグラムで知り合って、海外在住のコーチということで意気投合。Kayさんのポッドキャスト番組コーチング・ライブ in NY with Kay にもゲスト出演させていただき、Kayさんのコーチングを受けさせていただきました。ご興味がある方はぜひ聴いてみてください!

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Q. Kayさんのプロフィールを教えてください。

アメリカ・ニューヨーク在住のバイリンガルコーチです。世界中の個人や企業に対してコーチングや講演を行っています。企業のマネジャー(管理職向け)を対象に、従業員との一体感やエンゲージメントのレベルを高めるためのコーチングプログラムを提供し、毎年日本でも講演とグループコーチング・ライブを行ったりもしています。国際コーチ連盟(International Coach Federation)のメンバーであり、コーチ・トレーニング・アライアンスのコーチ資格を所持しています。

Q.コーチという職業はアメリカではどのように見られているのですか?

カウンセラーやセラピストと同様、数ある普通の職業のうちのひとつとして人々に広く認識されています。
アメリカでは週1回マリッジカウンセリングを受けているご家庭がほとんどで、コーチを個人が雇うことはそれと同様にみなされています。

Q. 企業での導入状況はどうですか?

コーチング部門が人事部内に設置されていたり、新入社員にコーチをつける企業をよく見かけます。私自身もも企業内でコーチングプログラムを開発・導入した経験があり、効果も上がりました。

Q. アメリカでコーチングが早期に普及した理由は何でしょうか?

アメリカ人は幼少期から、自ら主体的に考えることを徹底的に教育されています。逆にいうと、人からこれをしろと言われるのが苦手。そのため、すでに自分の中にあるはずの答えを見つけにいくというコーチングのスタイルは国民性に合っていたのでしょう。

また、個が強く、良くも悪くも成果主義の社会の中で勝ち残るためにコーチを雇うことに自己投資をしている点もあると思います。コーチングフィーは決して安くはないので、クライアントには学生はあまりみかけませんが、社会人になった20代、30代から積極的にコーチを雇っています。アメリカ人の自己投資はする方は本当に半端なく投資されます。

Q. 自ら主体的に考えて答えを見つけられるのであれば、ある意味コーチを雇う理由がなさそうにも聞こえますが、彼らは何をメリットに感じてコーチを雇うのでしょうか?

彼らは逆に自己主張が強すぎる方に針が振れており、自分を客観視できないという点に課題を感じています。自分の考え・道筋しか見えなくなってしまう傾向が強いため、コーチをつけることで客観性を保てるというメリットがあります。

Q. アメリカではコーチの何をみて依頼するかどうかを決めているのですか?

日本ではコーチの経歴や肩書を重視する傾向があると思いますが、アメリカではあまり気にされません。実際に受けてみた相性で決めている感じがします。私自身はICF (International Coaching Federationという国際コーチ連盟)に登録しているコーチに依頼をしました。

Q.アメリカでコーチをする上でのご苦労はありますか?

特にありません。コーチという職業についての理解が浸透しているので、自身の職業を一から説明しなくていいという点は逆にありがたいです。日本ではまだまだコーチングを受けたことがない人が大多数で、コーチとは何か、コーチングとは何をすることかを説明しなくてはいけないので、そういった点でもアメリカでの浸透度は高いといえます。


いかがでしょうか?
アメリカでコーチングが日々の生活にかなり根付いていることが感じられたのではないでしょうか。日本でもコーチングが正しく広がり、個々人が自由にコーチを雇って自らを解放していく社会になっていくことを願って、私も日々のコーチ活動をやっていきたいと思います。

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