コーチングは転職の面接対策になるか?

たまに「転職時の面接対策として、自己分析したい」と言ってコーチングを受けに来てくださる方がいます。おそらく「自分のことをより深く知る≒面接対策になる」と考えられた上でご連絡いただいたのだと思いますが、私はコーチングで得られる体験と面接対策としての自己分析は、似て非なるものだと思っています。

新卒と中途で違いはありますが、総じて面接で人事の方が知りたいことは、 この方は何ができるのか/その原動力となるエンジン(この方を突き動かし続けるもの)は何か/そのエンジンは自社の社風や事業においても十分に活躍しそうか、です。

面接で上記の点をしっかり伝えられれば、大きなミスマッチは起こらないはずなので、そのための対策として必要なのは、ご自身がやってきたことを整理整頓する/自分はなぜそれをやりたかったのか・やり遂げるほどのエネルギーを得られのか/その延長として今後やりたいことを深掘りして、転職先とのマッチングポイントを見つける、といったことかと思います。

コーチングでも、過去の経験に焦点を当てて自分が大切にしている価値観を見つめ直すプロセスがあります。そういう意味で自己分析と多少かぶっている部分はあるのですが、コーチングで主に焦点をあてるのは過去ではなく「今〜未来においてどうありたいか」だという点が決定的に違うように思います。

クライアントの未来は過去の延長線上に伸びていくものだけではなく、ある時、急に突然変異を起こして全く違う次元にジャンプするようなことも十分あり得ます。そういう意味で、自己分析でやるように、過去の事実を洗い出して整理整頓して要素を抽出していくような作業に時間をかけることは、実はあまりありません。

自己分析が、バケツにたまった水が、いつどうやって溜まってきたのかを分析し、今後はどんなスピードでどう溜まり続けていくのかを分析することだとしたら、

コーチングは、さなぎが蝶にかえるような本質的な変化(過去との関連性がない)を起こしていくアプローチです(転職するというネクストアクション自体が覆される可能性も十分あります)

もしこれを読んでくださっている方が直接的に面接に向けたメリットを享受したいと思われている場合は、もしかしたらコーチングよりも面接対策だけに焦点を当てたセミナーに参加された方が手っ取り早いかもしれません。

(※注 ここでは純粋なライフコーチングを想定して記載しています。コーチの中にはコーチングとキャリアアドバイスを掛け合わせてセッションをしている方も多数いらっしゃいますので、興味がある場合は是非色々なコーチを検討してみてくださいね!)